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彼との別れ
その彼と、どうなったのか?
それまでの彼の行動や言動から、特に悪いところもなかった。
誕生日を忘れていたことを除けば、完璧な彼氏と言っても良かった。 |
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その誕生日の件も、空港でわたしを迎えるプラン(誕生日もプロポーズも)を一生懸命考えすぎて、当日も増やした宝石店の慣れないバイトに追われて、電話せずに寝てしまったのだという。
すごく素敵な彼だったけれど、わたしは何を躊躇したのだろう・・・
身分の違いみたいなもの?
誕生日を忘れていたこと?
プロポーズのときにわたしの返事を聞いてくれなかったことへの違和感?
そうだ・・・
シチュエーションばかりが目立って、そこに気持ちを感じられなかったのだろう。
当時のわたしは、そんな深く物事を考えることが出来ず、彼についていけていない自分にもどかしさを感じ、彼に申し訳ない気持ちでただいっぱいだった。
そして、彼が一部上場企業に就職し、本当に結婚の話しが出始めたころ、彼の母親が結婚に反対し始めた。
それを素直にわたしに伝えた彼。
でもわたしは、反対されたことを『やっぱりな』と感じ、お母さんが反対するなら、結婚なんて出来ないよ、とあっさり身を引いてしまったのだ。
涙を流して別れを拒んだ彼に対し、わたしは涙ひとつも流せなかった。
その後、1年ほど酔った勢いで電話をかけてくることはあったが、会社の受付の女の子との間に子どもが出来て結婚した、と友達伝いで情報が入ってきた。
わたしの判断が間違っていたかどうかは、きっと誰にもわからない。
それからわたしが結婚相手に選んだ人は、彼とは全く違って、口数少なく、ちゃらちゃらしたところもなければ、ロマンティックなシチュエーションもないような名古屋人だった。
それが男らしく感じられたのだけれど、実際に結婚してみると、気は小さく、浮気もちょこちょこしているみたいだ。
今になって思うけれど、幸せな結婚を夢見ていたころが一番幸せだったのかもしれないなぁ・・・
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